四寺廻廊 ジジイのたわ言
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大学の教育学部と経済学部の真ん中に東西に延びる道路が通っている。その道を西へ徒歩20分程、 JR高徳線の踏切を渡るとワシの下宿先、昭和町だ。
踏切を渡った左手に、酒屋、銭湯、たばこ屋がつらなり、向かいに喫茶店がある。 その三叉路右手奥には、JR昭和駅があり、その前にはスーパーマーケットなどがある。
昭和町の銀座街だ。この近辺は静かな、そして簡素な住み良い住宅街だ。
高松の玄関口、築港からも遠く船の汽笛の音や独特の潮の香りはせず、この地が本当に瀬戸内かと、勘違いするほどだ。
[四寺廻廊]
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学校帰りの夕刻、踏切を渡ると酒屋の店先から、たばこ屋のおっさんに声を掛けられた。
コップ酒片手に、ニヤケタ赤ら顔の彼は、明らかに酒が入っていた。
「今、かえり?、寄っていきまえ。」
下宿の向かいのたばこ屋さん。50歳代半ばであろう彼と奥さん、 小学低学年の女の子二人とお婆ちゃんの5人家族。
顔見知りとはいえ、たばこを求めに店先で世間話をする程度だ。 聞く処によると奥さんは看護師さんとか、身体健康そうな旦那は、たばこ売り一筋の店主。
通り路、たまに子供とバトミントンなど愉しそうに興じているんですケ。
髪結いの亭主成らぬ、母性本能の塊り看護婦さんの亭主。
見るからに、お気楽そうな人なのだ。
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[四寺廻廊] 2018.4.29