四寺廻廊 ジジイのたわ言
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あまりの冷え込みに、いつも行っている日帰りの温泉施設に行ってきた。一応、天然温泉。
近郊に同じような浴槽、サウナ室を完備している温泉施設はあるが、浴室がいただけない。暗く湯舟からお湯が流れ落ちない構造からだろう、 なにより湯舟のお湯が死んだように生気がない。
私にとって温泉のイメージは湯舟から溢れんばかりのお湯、岩滝から流れ落ちるお湯が温泉だ。温泉をポンプで引き上げ、 タンクで循環しているのは同じだが、その湯舟の光景は澱んだ、ため池そのものにしか見えない。
他方、よく行くこの施設は、浴室は開放的にガラス張りの大きな窓を配置、明るさにあふれ、 湯舟の中には二畳ほどの気泡が下から出てくる泡風呂を設置している。
その泡のブクブク感が、視覚、聴覚から、自噴している錯覚に陥る。それは生き物のように感じられ澱みを消す清潔感すら感じる。、
なにより浴室ドアのレジオネラ菌検査済みの張り紙は、それを後押してくれる(笑)
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銭湯めぐりのtv番組をよく見る。ドラマ風になっているその番組は、20代後半の広告代理店に勤める男性社員が主人公。 営業職に配属されている彼は、可も不可もない、どちらかというと、うだつが上がらない社員。 毎回、お得意様回りが一段落すると、昼から銭湯に入り、近場のお店で一杯やりながら昼めしを食べる。いつも同じ筋書きである。
彼、銭湯では、笑いながら湯舟に首まで浸かると、決まっていうセリフがある。
「申し訳ない。。。」
社長、同僚に申し訳ないの気持ちからか、はたまた、自分だけいい思いをして。何事にも代えられないこの優越感、勝った感からか。、
ジジイにもこの気持ち、わかる。分かるなあ~と、それを見ながら苦笑い。。
それを思い出しながら温泉に入った。そして当方の決め台詞はと。
暫し考えた。
「極楽、ごくらく。」
ジジイには、これしかない。
湯舟に体を沈めながら気持ちよくなって極楽浄土の世界に逝ったような気になる。
そうしたら家内が「極楽極楽って早く逝かないでね。」だと。
あの世だけは極楽であって欲しい。今日も天然温泉に入りながら呟くんですケ。
「極楽、ごくらく」
[四寺廻廊] 2018.3.18